きっと雰囲気で契約しちゃうわ、私…
そのうち、娘さんまでもが「サプリの件、今度セミナーがあって」「キャンペーン期間ですよ」とメールしてくるように。「その日は親戚の家に行くから」「返信したつもりが、できていなかったみたい」と返す木村さん。
だが、次第に言い訳のネタも尽きてくる。それに、子ども同士は同窓会などで交流があり、はっきり断って相手の気分を害し、彼らの関係に影響が出るのも怖い。
1回だけセミナーに顔を出せばケリがつくかな。いや、そうなったら最後、その場で契約させられるかも。そうよ、きっと雰囲気で契約しちゃうわ、私……と、木村さんの心は千々に乱れる。ほかのママ友のところにはメールは来ていないという。
あらためて、「あのとき、私もトイレに逃げればよかった」と毎日メールをこわごわチェックしながら、自分の対応の間違いを心から後悔するのだった。