環境省が公開しているパンフレット「ペットの終活ノート」によると、犬の平均寿命は約14.6歳だそう。いつかはやってくる愛犬とのお別れをどのように受けとめればよいのでしょうか。今回は、愛知県岡崎市にある圓福寺住職の小島雅道さんが、ペット供養の際に経験したエピソードとともに、愛犬の最後に私たちができることを紹介します。小島さんは、「車いすのワンちゃんの葬儀をしたこともある」そうで――。
あの世に車いすはいらない
車いすのワンちゃんの葬儀をしたこともあります。ヨークシャーテリアの18歳のワンちゃんで、とても長生きをしてくれました。
後ろ足に二輪の車がついているタイプの車いすです。正確にいうと、後ろ足用の歩行器のようなものでしょうか。
そのワンちゃんは散歩の途中で交通事故に遭って、後ろ足を失い、車いすになってしまったそうです。それでもこの子は生きたのです。
飼い主さんは自分の不注意のせいだと自分を責めた時期もあったそうですが、足を失っても生き続けてくれているこの子を見て、元気づけられたのだといいます。
普通なら死んでしまうような事故に遭ったにもかかわらず、見事に生き抜いたのです。
足を失っても、どんな状態になっても生きる子は生きるのだということを、この子からも教えてもらいました。