同じ出来事でもプラスに考える
車いすのワンちゃんの話に戻りましょう。
車いすができたときは、飼い主さんの喜びもひとしおでした。
事故のあと、すぐに車いすを使っていたわけではなく、最初は下半身を引きずるようにして前足で歩いていました。だから、後ろ足に車輪をつけてもらったとき、ワンちゃんも大喜び。前足を使って元気にダーッと走っていたそうです。
飼い主さんが帰宅したときも、走って迎えてくれるようになり、ワンちゃんの純粋さに、飼い主さんも感動する毎日を送っていました。
車いすがある、歩ける、走れることがものすごい喜びなのです。
どのように受け取るか、心を変えることができるかで、同じ出来事でもプラスに考えることができます。本当に人間がワンちゃんたちに教わることは多いですね。
話は少しそれますが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの映画で有名な俳優のマイケル・J・フォックスさんはパーキンソン病と診断され、現在はパーキンソン病の治療支援などにも取り組まれています。
彼が常に言っているのが「感謝の心さえあれば、人はポジティブに生きられる」ということ。これは、私たちがいつもお伝えしているお念仏の教えと同じです。
お念仏とは、仏様、つまり亡くなった人や亡くなった動物やご先祖様からいつも念じてもらっている、いつも自分たちのことを思ってもらっているということに気づき、感謝の心で思わず手が合わさり、念仏するということを意味しています。
ですから病気になったり、何か苦しみや悲しみに見舞われたりしたときも、感謝をすることによって人生が大きく変わってくる、そのことに気づいていくことが大切です。