インテリアが脳と心に与える影響は大きい

本書ではおもにインテリアを取り上げているので、それにフォーカスして少し考えてみましょう。インテリアを整えるとなぜ、自己肯定感が高まるのかということについてです。

たとえば、みなさんの部屋にあるソファーを見てください。何色ですか? デザインはどのようなものですか? 手触りや座り心地はどのような感じですか?

家の中にあるインテリアに目を向けてください。ソファーや棚などの大きな家具、カーテンやカーペット、テーブルや椅子、小物類もたくさんありますね。置物や絵画などのアート系インテリア、また、タオルやスリッパ、食器類など日常使いする物もたくさん。

インテリアを構成するのは、色や色彩、デザイン、素材。手触り感や使用感、香りなども含みます。実はこれらの要素はすべて五感に訴えかけるもの。脳、つまり心に働きかけてきます。中でも目から得られる情報は心に大きな影響を与えます。

なぜなら、人間が得る情報の約8割は目から得ているからです。家の中で目に映るものはすべて自己肯定感に関係するといえます。

少し話はそれますが、実は大人になると自己肯定感が下がりやすくなります。過去の失敗へのこだわりやトラウマが強く影響するからといわれます。

誰でもそうですが、失敗した経験は強く心に残りますよね。同じ失敗は繰り返したくないという意識が強くなり、これが自己肯定感を低くしてしまうきっかけをつくります。

こうした状況を乗り切る方法のひとつが、自分が安心できる部屋を持つことです。自分らしくいられる部屋を持ち、そこでリラックスすることが失敗への恐怖を打ち消します。

※本稿は『自己肯定感を高めるインテリアブック』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。


自己肯定感を上げるためのインテリアブック』(著:中島輝/朝日新聞出版)

欧米人と比べて日本人の自己肯定感が低いことは常々問題とされ、自己肯定感を高めようとさまざまな試みがなされている中、第一人者中島輝氏を著者に、自己肯定感を高める部屋づくりを提案。長い時間を過ごす家は心の状態を大きく左右するもの。自分のタイプに合った心が整うインテリアを紹介する。