栄養学的には、1食につきたんぱく質食材も野菜も100グラムずつ食べるのが理想。ただ、100グラムのたんぱく質食材となると、鮭なら1切れ、お刺身なら2皿程度と、シニア世代にはかなりボリュームがあります。そこでたんぱく質食材は半量にして、食べるときに卵を1個足すなど工夫すれば問題ない、と考えたのです。
私はインスタント食品や出来合いのお惣菜も購入しますが、そのときは野菜を足すようにしています。たとえば、耐熱容器にちぎったキャベツを敷いて、そこにスーパーで買った八宝菜をあけて、電子レンジにかける。お惣菜容器はたいてい耐熱容器になっていますから、ラップ代わりにかぶせればいいのです。
私がスーパーでお惣菜を買っていると、「お料理の先生ですよね?」と驚かれます(笑)。でもおいしく作ってあるものがあれば買えばいいし、手抜きをしたと罪悪感にかられる必要はないと思います。体に必要な栄養をおいしく摂ることが大切なので、手間をかけた料理を出さないとご機嫌のよくない家族がいれば、すてきな器に盛り替えて、黙っていればいいだけの話。(笑)
一汁三菜にも、こだわらなくていいのではないでしょうか。野菜のたっぷり入った味噌汁に厚焼き玉子、それにごはんがあれば、栄養バランスは十分だと思います。ホテルのバイキングに行っても、選べる料理は限られた数です。「わが家の朝食のおかずは、納豆と卵と焼き鮭」と決めてしまえば、毎朝メニューに頭を悩ませることもありません。
最近は、貴重な週末の休みを1日つぶして、せっせとつくりおきのおかず作りをする方がいらっしゃると聞きます。でも、時間も体力も奪われたら、ほかのことができません。もちろん、切り干し大根やひじきの煮物のように、一度に4人分くらい作ったほうがおいしくできるものもあります。たまたま、そういうおかずを作ったときに、余った分が「つくりおき」になる、くらいの気持ちで。料理は毎日のことなので、必要以上に頑張らないでもいいのです。