中医学的 清明の暮らしかた

・心と身体の状態

清明という言葉の通り、清々しい空と同じく、清々しいこころで新年度を迎えたいものです。

春は、五行(注)の「木」にあたりますが、肝は“樹木”のようにのびのびした環境を好みます。

新緑が美しく、草花が芽吹き、心地良い風が吹く――。

肝の調子が良い人は、その心地良い雰囲気に乗って活動的になり、ウキウキ、ワクワクする気持ちが湧いてきますので、ぜひ、その気持ちにしたがって行動してください。

一方で、春はシーズンを通して気持ちが不安定になる傾向があるのですが、環境の変化がともなうこの時期はなおさらかもしれません。

(注)中医学の考えで、「木・火・土・金・水」という5種類の構成要素のこと。互いの性質を助け合ったり制約し合ったりして、バランスを保っています。

『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

・起こりやすい不調

春の陽気が高まることで興奮しやすい清明の時期は、睡眠や胃腸系のトラブルが起こりやすくなります。

よく眠れない・お腹がすっきりしないといった症状に悩まされている人が多いかもしれません。

また、4月に入り、多かれ少なかれ環境の変化もあることでしょう。

そのことから、イライラ・落ち込み・無気力・怒りっぽいといった、気がスムーズにめぐらない「気滞(きたい)」と呼ばれる状態によって引き起こされる、メンタル面のアップダウンの激しさに悩まされる人も多い時期です。