中医学的 清明の旬のもの

・旬の食材1 グレープフルーツ

国産のグレープフルーツは4〜5月が旬。その後、夏にかけて輸入品が出回り始めます。

国産のグレープフルーツは4〜5月が旬<『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』より>

グレープフルーツは、熱を冷まし、「行気(こうき)」「和胃(わい)」、つまり気のめぐりを良くして胃の調子をととのえる作用や解毒の力があります。春に高ぶる肝を穏やかにしてくれますので、胃もたれ・食欲不振・二日酔い対策に、そして、ストレス対策にも。

冷やす力が強いので、のぼせ・火照りがある人やイライラしやすい人にもおすすめです。逆に、冷え性の人は冷やしすぎてしまうので、避けるようにしてください。

・旬の食材2 パクチー

陽気の発散には、辛味のあるパクチーがおすすめ。

家庭でエスニック料理はハードルが高いと思うかもしれませんが、意外なところで、和風の炊き込みご飯とも相性がいいんです。

生姜と昆布、醤油で味つけしてご飯を炊き、パクチーを適度に混ぜ加えると、香りと辛味が陽気の発散を促してくれますよ。

身体を温める食材と冷ます食材のバランスが取れ、かたよりがなくなるので身体への負担が少なくなります。 

・旬の食材3 サワラ

「魚」に「春」と書き、春の季語でもある鰆(さわら)。「峻補(しゅんほ)」といって、補う力がとても強いことから、薬膳でもよくおすすめされる食材です。

似た言葉の「補気(ほき)」は、徐々に気を補って元気にしてくれるという意味ですが、「峻補」の場合は、病気の後や産後の弱った身体も回復してくれるほど、とにかく補う力が強いことが特徴です。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

大人気漢方家・櫻井大典先生が、24の季節と五臓(肝・心・脾・肺・腎)に合わせた旬の食材と、毎日の暮らしの養生を教えてくれます。

薬に頼らない、昔ながらの“健康と暮らし”の歳時記。
季節の移ろいや風物詩を美しいオールカラーの絵でも味わえる愛蔵版の1冊です。