中医学的 穀雨の暮らしかた

・心と身体の状態

春の終わりにあたるので、肝の疲れが溜まり、春の不調が現れやすい頃です。

4月も下旬に入り、新しい環境などで頑張って、張りつめていたこころと身体が、休息を欲しているかもしれません。

ストレスからくる不眠や胃腸トラブルに見舞われやすいときですが、気候的には、春らしくとても過ごしやすい時期でもあります。

この後にひかえる梅雨や猛暑に備える“一時(いっとき)のお休み”と捉え、補給に重点をあてて、今のうちに疲れを取り除いておきたいところです。

穏やかな気候のもと、しっかり寝て、しっかり食べる。疲れすぎないように気をつけて、ゆっくり過ごしましょう。

『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

・起こりやすい不調

肝の不調からくるストレス性の胃腸トラブルに加え、イライラ・情緒不安定・不眠・身体のだるさなどに見舞われる人が多い頃です。

「ひたすら眠い」「とにかく疲れる」という人もいることでしょう――。

また、肝が弱ると「胆」も弱るため、いわゆる“胆力”がなくなります。

“胆力”とは、どっしり構えて“肝(きも)”が据わっている気力のこと。

この“胆力”がなくなると、ズバッと何かを決める“決断力”が低下するので、新しいことにチャレンジしたいのに一歩が踏み出せない・優柔不断になりがちといった症状も見られます。