中医学的 穀雨の旬のもの

・旬の食材1 スズキ

スズキは、この時期にいたわりたい肝を養い、胃腸をととのえ、血を補ってくれるので、まさに「調和肝脾」にピッタリ。中国でもよく食べられる魚のひとつです。

塩と酒をなじませ、ネギと一緒に蒸したスズキに、刻んだ鷹の爪や生姜、白髪ネギを乗せて、熱した油を回しかけていただくのが中華風。

中国でもよく食べられる魚のひとつです<『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』より>

魚全般において、養生的にベストな食べ方は、蒸し料理。次いで、煮る、焼く、となります。生の状態は消化の負担が大きく、冷房でお腹が冷えやすい夏場はますます身体を冷やすことに。お寿司やお刺身も美味しいですが、あくまで嗜好品としていただきましょう。

・旬の食材2 新玉ねぎ

3〜5月に旬を迎える新玉ねぎ。

新玉ねぎは、吐き気や胃の不快感などを改善し、血をめぐらせるので、この時期に出やすいゲップや、頭痛・肩こりを緩和してくれます。

みずみずしい新玉ねぎは、そのまま生でもシャキシャキと美味しいですが、スズキと一緒にホイル焼きも手軽でおすすめです。

・旬の食材3 文旦

ぜひ柑橘系を摂ってほしいこの頃、とくにおすすめなのは、文旦。

文旦は、ストレスからくる胃腸トラブルを改善し、咳を鎮め、イライラや落ち込みやすさなどのメンタル面もカバーしてくれます。

ストレスを受けやすい春には、ぜひ文旦と覚えておきましょう。爽やかな酸味と甘味で、気分をリフレッシュしてください。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

大人気漢方家・櫻井大典先生が、24の季節と五臓(肝・心・脾・肺・腎)に合わせた旬の食材と、毎日の暮らしの養生を教えてくれます。

薬に頼らない、昔ながらの“健康と暮らし”の歳時記。
季節の移ろいや風物詩を美しいオールカラーの絵でも味わえる愛蔵版の1冊です。