「寝る間を惜しむ」のは得策とは言えない
さらに、中高生を対象とした調査研究では、平日の睡眠時間が7時間以下の生徒の成績が芳しくないという報告があります*2。
こうしたことから、睡眠時間を節約することは、学習にとって賢明ではないと言えます。
睡眠をとらずに起きていると、頭を使う認知的な作業の効率は低下します。「寝る間を惜しむ」のは得策とは言えません。
たまに、「テストの前日に猛勉強をしても、いったん眠ると、せっかく詰め込んだ知識を忘れてしまうのではないか」と心配して徹夜をする人がいるようですが、それでは肝心のテストの際に頭の働きが悪くなり、残念ながら逆効果になってしまいます。
睡眠の効果について、きちんとしたメタ認知的知識を持ち、積極的に眠りを活用した方がよいでしょう。
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*1.鈴木博之・内山真 (2006) 睡眠と記憶向上 Brain Medical, 18, 1, 73-79.
*2.Wolfson, A. R., & Carskadon, M. A. (1998) Sleep schedules and daytime functioning in adolescents. Child Development, 69, 4, 875-887.
※本稿は、『メタ認知』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
『メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中公新書ラクレ)
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