人生案内欄にて

私は日刊紙の人生案内欄で回答者を務めています。最近、親の一周忌を二人しかいないきょうだい一緒に出せそうもない、というご相談を受けました。

『91歳、ヨタヘロ怪走中!』(著:樋口恵子/婦人之友社)

争いの種はやはり介護と相続。ご相談は二人姉妹の妹さんから。

お葬式は長女の家から出しました。妹の立場からみると、姉はお金にきびしく、老いた母にいろいろ請求したようです。妹が見かねて口を出したらきょうだい仲は険悪に。妹から見ると、相続も姉が勝手にことを運んだとしか思えません。

苦情を言ったら大げんか。一周忌も近いのになんの知らせもない。問い合わせていいものかどうかというご相談でした。

母上の死後、妹さんがついに爆発。口もきかない間柄になってしまったけれど、妹さんは何とか一周忌を機に仲を取り戻したい感じが伝わってきました。

同じ子どもでも「お葬式を出す側」はどうしても責任が重い。親の看取りでの姉の尽力にまず感謝し、一周忌をどうするか、お伺いを立てる手紙を出してみては? それでご返事が来なかったら、深追いせず、妹は自宅に写真など飾って故人を偲べばよいのではないか、と回答しました。

きょうだい仲は、親の年忌を別々に出すところまで険悪になっているようです。