親たるものの心がけ

幼いころから最も身近な存在であり、ときには宿命のライバルであったきょうだい。

それでも私の周辺を見ると、とくに女きょうだいの場合、老後の人間関係をしっとりとかつ賑やかな色彩を放っていて羨ましいと思います。

「きょうだい仲よく」を味わってもらいたいと思ったら、親たるもの子どもたちに無用の競争をさせず、子それぞれの間に親しさを増すように、きょうだい仲が一生の財産になるよう相つとめねば、と思います。

親業は一生の修業ですねえ。大へんですけど楽しみながら。 

※本稿は、『91歳、ヨタヘロ怪走中!』(婦人之友社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
樋口恵子 残り少ない人生なのにみんな友達づきあいや親子関係に悩んでいて…人間関係の問題は<棚上げ方式>であの世にもっていこう
樋口恵子「高齢者ひとりでも大丈夫」と思いたいけれど、全然大丈夫じゃないと老いて実感。同居家族がいても「おひとり死」はありうることと心得るべし
樋口恵子 怪我に病気<不機嫌のタネ>ばかりの高齢期を上機嫌に生きるには…「楽しく」は難しくとも「楽しげに」なら誰でもできる

91歳、ヨタヘロ怪走中!』(著:樋口恵子/婦人之友社)

これからは「おばあさんだらけ」の時代になる、と宣言するヒグチさん。そんな時代のトップランナーとして走る著者の「ヨタヘロ」と「ときめき」の逸話の数々。91歳を超えてますます元気な愉快痛快エッセイ!