人生2度目の〝義務教育〟のススメ

介護サービスの負担額は本人の収入によって異なります。

そもそも毎月天引きされる介護保険料も本人の収入にスライドしていますから、このところ本の売れ行きが好調な私は、かなりの額の保険料を納入し、かつ今回のように新しいサービス受給が認められると、その負担額を収入に応じた決まりで納入することになります。

このたびの福祉用具に関しては、介護保険制度のおかげで市価よりずっと安価で良質のサービスを受けることができました。高齢者たちの未来は「老いの人生」。老いがもたらす状況を事前に察知して準備することが必要です。

幼い日、学校へ行く準備をしたように。「老い」という、いやでも出会う日々を、できるだけ豊かに過ごせるように。老いれば自分を取り巻く法律制度も変わります。

「人生2度目の義務教育」だと思って、自治体も人生百年時代の後半を生きる情報を、十分に提供してほしいと願っています。

※本稿は、『91歳、ヨタヘロ怪走中!』(婦人之友社)の一部を再編集したものです。


91歳、ヨタヘロ怪走中!』(著:樋口恵子/婦人之友社)

これからは「おばあさんだらけ」の時代になる、と宣言するヒグチさん。そんな時代のトップランナーとして走る著者の「ヨタヘロ」と「ときめき」の逸話の数々。91歳を超えてますます元気な愉快痛快エッセイ!