<『監督不行届』第拾参話より>
漫画『ハッピー・マニア』で人気を博し、その後の作品『シュガシュガルーン』では第29回講談社漫画賞を受賞するなど、数々の名作を生み出している、漫画家・安野モヨコさん。そして、安野さんのパートナーはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明さん。このクリエイティブなご夫婦は一体どんな生活を送っているのでしょうか。安野さんは、「監督は眠っている時の姿が浜辺に打ち上げられた棒みたい」と言っていて――。

集中力

監督は眠っている時の姿が変わっていて
浜辺に打ち上げられた棒みたいに一本になって寝ている。

体の中にある本体が抜け出して、その際入れ物である肉体を
ぽいと投げ出して出かけてった、というような感じがする。

なんでそんなふうに感じるかというと
普段から監督の動きがそんな様子だからだ。

テーブルの上にある醤油さしなどを取るときも
アームを動かして、醤油さしを掴み、持ち上げる、というように
小さい人が大きいロボットの頭の中に入って
「操縦」してるみたいに見えることがある。