もちろん10年経っても20年経っても五朗さんや寺さんには追いつけません。しかも僕の場合、20代、30代の頃の写真と40歳になった今の写真の区別がつかないと言われていて。このことについては自他ともに認めるところ。自分でも見分けがつきませんから(笑)。大丈夫か? と思わなくもないのですが、人にはその人なりの時間の流れ方というのがあるので、僕の40歳を出していけたらいいなと思っています。

といって成長をすべて肯定しようと思っているわけでもなく、成長したからできなくなることもあると感じているんです。いつだって今しかできないことがあるって。20歳の時に出演したドラマ『3年B組金八先生』の中に、補導されてパトカーの中で振り向くというシーンがあるのですが、今になって見返した時、この顔は二度とできないって思います。

僕のターニングポイントとなった連続ドラマ『それでも、生きていく』に出演したのは28歳のときでしたが、演技は未熟でも自分なりに高みを目指して一所懸命に演ってたなって、なんか愛おしく思えるんですよ。

40歳で演じた『儚き光のラプソディ』を50歳になった僕が観たら、もっとこうすればよかったとか思うんでしょうけれど、その時の情熱から生まれる表情とかセリフ回しを愛しみながら、もう二度とお見せすることのできない芝居をしようと決めてます。

「その時の情熱から生まれる表情とかセリフ回しを愛しみながら、もう二度とお見せすることのできない芝居をしようと決めてます」と話す風間さん