肥満対策で重要な意味を持つ「肉よりも魚」
とはいえ、ひとことで脂質といっても、それに含まれる「脂肪酸」の種類によって肥満や健康効果には違いがあります。ここで脂肪酸について簡単に説明しておきましょう。
食事に含まれる脂質の大半は中性脂肪(トリグリセリド:TG)です。そして中性脂肪の大半は脂肪酸で構成されますので、食事の脂質は大半が脂肪酸ということになります。
脂肪酸は、炭素の二重結合のない飽和脂肪酸と、二重結合が一つだけある一価不飽和脂肪酸、二つ以上ある多価不飽和脂肪酸の三つに大別できます。
肉類や乳製品に多い飽和脂肪酸の摂取では、魚油などに多く含まれる多価不飽和脂肪酸(DHA、EPAなど)と比べて脂質がエネルギーとして使われにくく、体脂肪の蓄積量が大きくなることが報告されています。
ですので体脂肪が気になる方は、飽和脂肪酸の多い肉類や乳製品を摂りすぎないようにすべき、ということになります。「肉より魚」は、主には動脈硬化対策などの健康面からいわれる言葉ですが、肥満対策にも重要な意味を持つのです。