ソフィア・コッポラ自身の強さや魅力
私生活ではスパイク・ジョーンズと結婚し、やがて離婚。今はフェニックスのボーカリスト、トーマス・マーズとの2度目の結婚生活が順調のよう。
恋愛の非常に細かい描写にリアリティを感じるのは、彼女自身が真剣に恋愛をしてきたからだと思う。有名人の娘だからとおごることなく、ごく普通の女性として男性を愛してきた。そんなソフィア・コッポラ自身の強さや女性としての魅力を、スクリーンの向こうに感じてしまう。
それにしてもこの映画の主人公、エルヴィスに愛された女性プリシラが、僅か15歳でありながら、愛を知って急に大人び、交際を反対する両親に「彼は孤独なの、守ってあげたい」と言い切るとこは大変印象的。
エルヴィスの好みに合わせて黒髪に染め、請われるままにドイツからアメリカにわたって彼の家から通学してカトリック系の高校を卒業。「現代版・紫の上」みたいな展開と行動で、「男に振り回される女」でもあるのだが、迷わずそれを選んでいく強さが、「愛する力」なんだなあと、妙に心を揺さぶる。