おばあちゃん限定
申し訳ないと思いましたが、このように“おばあちゃん限定”の気遣いはいろいろなところにありました。
たとえば、私は足が悪いので、どの授業でも椅子を用意してくださいました。
でも他の生徒は皆、床に座って待機しているため、どうしても目立ってしまいます。だから、最初の授業では必ずと言っていいほど、教室に入ってきた講師が二度見、三度見。
その後、アシスタントを務める1年上の先輩芸人に尋ねます。
「あの人誰? 参観日?」
幾度となく保護者に間違われてきたので、私には慣れっこのやりとりです。
また、芸名が「おばあちゃん」に決まった後には、こんなこともありました。
私のことを聞いた男性講師にアシスタントが「あの方、おばあちゃんです」と答えたところ、「いくつであろうと、女性に対しておばあちゃんは失礼だ。そういう言い方をしてはいけない」と注意してくださったんです。
すぐに私がフォローすればよかったのですが、緊張のあまり口を挟めず……。
結局、私がネタを見せる際に「おばあちゃんです」と自己紹介をしたら、ハッとした顔をして気づいてくださったようです。
アシスタントの先輩芸人には悪いことをしました。