与謝野さん「愛は成長する可能性をもっている」(写真提供:Photo AC)
今年1月からNHKで放送中の大河ドラマ『光る君へ』。主人公は平安時代のベストセラー『源氏物語』を書いた紫式部。そんな彼女と同じように、近代の女流歌人として活躍し、『源氏物語』の翻訳を3度試みた与謝野晶子。今回は与謝野晶子が書いた評論集の中から、選りすぐりの言葉や詩を紹介します。与謝野さんいわく、「愛は成長する可能性をもっている」そうで――。

愛は訓練されなければ

人生においては、訓練や努力なしには、何ごともなし遂げられません。

人生の完成を望む人は、自分の品性、そして周囲の人々をよりよいものにするために、さまざまな悲痛にも耐えなければなりません。

愛もまた必ず訓練されなければならないものです。

愛は成長する可能性をもっています。

その可能性をできるだけ大きくするために、私たちはみずからを訓練するのです。

母として子を愛するにしても、素朴で本能的な愛のままでは、動物の母親が子どもを世話する程度の愛にとどまるでしょう。

訓練によって、聡明さと綿密さ、そして人間的な深みが加わっていき、人間の母としての愛が完成されます。男女間の愛もまたそうなのです。

「愛の訓練」(『愛、理性及び勇気』より)