深く愛して深く生きる
真に深く愛することは、真に深く生きることです。
誰かを、あるいは何かを真剣に愛さない人には、自分の生命の尊厳とエネルギーを体験することはできないでしょう。
また、そういう人は、人生を断片的に生きるに過ぎません。
人生全体を直感的にとらえる喜びは、愛のなかからだけ汲みとることができるのです。
愛さなければ、一つの美術品の美しさを心の底から受けとめることはできません。
愛がなかったならば、男が女を、女が男を、友が友を、親が子を、子が親を理解することができるでしょうか。
愛を基礎としない思想はすぐれた思想とはいえず、愛のともなわない経験は豊かな経験ではないのです。
「愛の訓練」(『愛、理性及び勇気』より)