愛の生活

人は「愛」をもって他者と深く交じわることで自らの生活を深くすることができます。

それは、自らの生活を深く愛することになります。

個人の愛の生活の極限は、全人類の愛の生活と響きあいます。

私たちの生活の理想は、常にこの音楽的な境地にあるべきだと思います。

「愛の生活」(『人及び女として』より)

 

※本稿は、『与謝野晶子 愛と理性の言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
与謝野晶子が『光る君へ』の時代を生きた女性に親しみを抱いた理由とは?『源氏物語』や『紫式部日記』を読んでわかったこと
100年前、女に選挙権はなかった ~与謝野晶子「婦人も選挙権を要求す」
本郷和人『光る君へ』河原で遺体を見つけておどろいたまひろ。でも庶民の遺体の扱いとしてはいたって普通で…平安時代の埋葬について

与謝野晶子 愛と理性の言葉』(著:与謝野晶子・松村由利子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

近代歌壇を代表する歌人で『みだれ髪』や『君死にたまふことなかれ』などで知られる与謝野晶子は、文学の世界のみならず、社会評論の世界でも活躍しました。

晶子が書いた15冊の評論集の中から、選りすぐりの言葉たちと、晶子の歌や詩を織り交ぜながら「学ぶこと」「働くこと」「人生」「愛」「自由」などのテーマごとに読みやすく、わかりやすくまとめました。