雑誌やCMの撮影のほか、推し活目的で年に何度も旅に出るというスタイリストの地曳いく子さん。失敗と成功を繰り返した経験をまとめた旅本も刊行するほどです。大人世代がひとり旅を楽しむために最低限必要な準備と心構えを聞きました(構成:島田ゆかり イラスト:大塚砂織)
旅は非日常を体験するチャンス
『婦人公論』世代は、「ソロ旅なんて不安」「ひとりは楽しくない」と敬遠している人も少なくないかもしれません。けれど本当にひとりは不安?楽しくない? いえいえ、誰に気兼ねすることもなく、自分の思うままに過ごせるなんて最高だと思いませんか?
私は、「旅は非日常を体験するチャンス」だと考えています。日頃の鬱積したストレスを浄化できるのも、旅の醍醐味。ひとりなら、本当に自分がしたいことだけをすればいいのです。
「旅に出て何かを得よう」と気負わずに、「いらないもの(凝り固まった常識や習慣)を捨ててくる」くらいの気持ちで出かけてみましょう。
目的地の決め方
ソロ旅を勧めると、「ひとりでどこへ行けばいいんでしょうか」と聞かれることがあります。そんな方々のために昨年、旅の本を出版しました。ようやく自分のために時間が使える年代になったのですから、自分の「好き」を掘り下げ、旅の目的にしてみてはいかがでしょう。
私はあるバンドの大ファンで、若い頃から追っかけをしていたので、世界中のツアーにひとりで遠征していました。ライブ以外の予定は入れない自由な旅です。空き時間にふらっと街に出ては、素敵なレストランを見つけたり、掘り出しものに出合ったり。自由気ままなソロ旅の魅力にハマってしまいました。