私が不登校から学校生活に復帰できた理由

だから、今でも不思議なのだ。私は教室に入っていないから通知表もほとんどついていなかった(部分的にでも教室で授業を受けた科目は、2とか3をつけてくれた)。部活動や委員会活動も、行事への参加も一切していない。内申点はほぼないに等しいだろう。なんでX高に受かったんだろう。なんで、担任はX高行けるって言ったんだろう。

今となってはその理由はわからない。

高校には進学できたものの、人を避けて生活していたところから、大勢の中での生活に移行するのは簡単ではなかった。人が怖かった。学校では毎日お腹が痛く、休憩の度に誰もいない空き教室に駆け込んだりした。

『死ねない理由』(著:ヒオカ/中央公論新社)

それでも、スパルタ教育で毎週大量の課題が出て小テストがある生活で、勉強に追われる中で気が付いたら周りが気にならなくなっていた。中学のように周りにかまって暇つぶしのように誰かをいじめる人なんていなかった。みんな自分の勉強のことで手一杯だったのだ。

私が不登校から学校生活に復帰できたのは、それだけでなく、学校側の配慮があったからだ。私が中学校で不登校だったことは高校の教師たちも知っていた。だから、こっそり呼び出され、クラス替えの時に、心の支えになる子をひとり同じクラスになるように配慮する、と言われた。そのおかげで1年のときにできた親友と2年、3年と同じクラスになった。