死んでも終わりじゃない
懐かしい名前をみんなで見つめ、一人一人の名を読み上げてみるとその人の姿が鮮やかに浮かぶんです。
死んでも終わりじゃない。私らの心がちゃんと覚えとります。悲しみもつらさも、みんなで分かち合うからこそ乗り越えてこられたんかもしれんなあ。
仲よしクラブをやることで、地域に目が向くようになりました。
私も仕事や家のことを必死でやっていた生活から、少し世界が広がりました。
普段はばらばらに暮らしていても、仲よしクラブの日だけはみんなが集まって刺激を受け合うん。そうやって日常に変化をつけるのはええことです。自分で変えようとしないと、ひとりでに変わるなんてことはありません。
みなさんも、そう思うてくれとったんかもしれんなあ。仲よしクラブは私たちにとっての遅い遅い青春、ちょっとした革命でした。
※本稿は、『103歳、名言だらけ。 なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること』(文藝春秋)の一部を再編集したものです
『103歳、名言だらけ。なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること』(著:石井 哲代、中国新聞社/文藝春秋)
「こんなかわいいおばあちゃんになりたい!」「人生の目標にしたい」という声が広島から全国に広がり、ベストセラーとなった『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』の石井哲代さんのその後を追った続編。これまでの人生経験から得た「哲代さんが自分の心に言い聞かせている言葉たち」を一冊に。