“実況中継”を続けて、バトンを渡したい

あれから幾星霜。91歳の今、もはや国会前で弁舌をふるう体力はありません。

84歳でわが家を建て替えたとき、まさに清水の舞台から飛び降りる思いで大散財をして小さなエレベーターを自宅につけましたが、そのおかげでなんとか1階と2階を行き来できているありさまです。

それでも当事者として、また長らく高齢社会の問題にかかわってきたひとりとして、発信し続けたい。この先、日本社会で生きていく人生の後輩たちに、よりよい状態でバトンを渡したいからです。

その思いで、ヨタヘロの身に鞭打って、この実況中継を続けている次第。発言の場をいただいていることには、心から感謝しています。

(イラスト=マツモトヨーコ)
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