でも後にパルコから連絡があって、その他大勢のゲイの役で出ないか、って。それで年明け早々に晴海の特設稽古場で稽古が始まって、僕たちは色とりどりの長襦袢みたいなものを着せられて、ゲイの乱舞が始まるわけですよ。みんな奇妙奇天烈に踊ってる。

そしたら蜷川さんが僕を指さして、「そこのお前、お前だよ。もっとちゃんと気合い入れてやれよ、馬鹿野郎」って。すっかりやる気をなくして、翌日からはもう行かなかったですね。

それが蜷川さんとの最初の、出会いにならない出会いでした。(笑)

<後編につづく

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