片付いていない方が、まだマシ
頭では部屋がスッキリした方が気持ちいいとわかっている──。
しかし、片付けてしまうと、親に抑えつけられるような感覚が(はっきり自覚のできない無意識の領域で)湧いてきてしまう。
だから、そんなイヤな気持ちを感じるくらいなら、片付けないようにと、ナイトくんはあなたが片付けるのを止めようとします。
片付いていない方が、まだマシなのです。
ナイトくんは、親子関係の傷を思い出させないようにするため、刺激しないようにするため、親に支配されてきた悲しい気持ちや怒りに触れないようにするために、あえて片付けられないようにあなたを仕向けてくれているのです。
片付けないことが、傷を思い出さない、傷から身を守る手段になっているわけです。
このように、片付けられないというような、どう考えても解決した方がいいに決まっている問題であっても、心の深いところまで踏み込むと、それを解決しない方がいい、という事実に気づきます。
これが、ナイトくんの働きによるものなのです。
あえて問題を解決させないことで、あなたの心を守っているのです。
※本稿は、『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(著:橋本翔太/サンマーク出版)
なかなか解決できない悩みのすべては、心に住む「もうひとりの自分」が引き起こしていた。
あなたの知らなかった「あなた自身」の謎を解き明かしながら、
誰かに頼るのではなく、あなたがあなた自身を助けることができる方法をお伝えします。