「片付けられない」に隠された理由1 思考がクリアになり不安が強くなる

片付けて部屋がスッキリすると、頭の中もスッキリしますよね。どこに何があるのかも把握できて、気持ちもクリアになります。

片付けによって思考がスッキリして人生がうまくいく……。そんな片付け本、皆さんも読んだことあるはずです。

『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(著:橋本翔太/サンマーク出版)

何より、「掃除しなきゃ」「片付けなきゃ」「やらなきゃ」というモヤモヤ思考がなくなります。

ところがこれによって、普段抑え込んでいた不安や焦燥感などが湧いてきてしまう人は少なくありません。

仕事の不安、健康の不安、将来の不安、人間関係の不安……そんな不安が、クリアになった思考によって、より感じられやすくなってしまうのです。

つまり、部屋が片付いていないことで思考も気持ちもモヤモヤしている。

「このモヤモヤのおかげで、不安や焦燥を感じなくてすんだ」という、メリットがあったのです。

部屋が散らかっている方が落ち着くという人は、その雑然とした環境にいることで、不安といった不快な感情にふたをしている可能性が非常に高いのです。

部屋が片付かないことは不快です。

しかし、不安や焦燥を感じる方がもっと不快なので、部屋が散らかっていることでより不快な感情・感覚を制御していたのです。

賢いナイトくんは、不安に襲われるくらいなら、部屋を片付けないことであえて浅いレベルでモヤモヤさせておいて、あなたを守ろうとしていたわけです。