(写真提供:Photo AC)

大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第21話は「旅立ち」。突然、髪を下ろした藤原定子(高畑充希さん)。そのことは内裏に広まり、一条天皇(塩野瑛久さん)もショックを受けるが――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「疫病対策」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

平安時代の疫病対策とは

ドラマ内で長く猛威をふるってきた疫病。

関白となった道兼はもちろん、まひろも感染。ナレーションによれば「道長と伊周を除く権代納言以上の公卿が疫病になって死に絶えた」と、かなり大変な状況になっていました。

道長も、疫病で苦しむ民のために租税免除を天皇に進言するなどしていましたが(まひろは「租税免除は高貴な者から下々への施しにすぎない」と批判していました)、この先どうなるか予断を許しません。

一方、現実として疫病のような変事が起きたとき、当時の朝廷はどう対応していたのでしょうか? 今回はそれを考えてみたいと思います。