今年2月、舌がんであることをブログで公表し、手術後リハビリを続けている堀ちえみさん。完全復帰を目指すなか、初仕事として『婦人公論』の表紙撮影とインタビューに臨みました。まだ話しづらさはあるものの、しっかりと自分の言葉で現在の心境を語ります(構成=平林理恵)

たくさん泣いたからね

『婦人公論』2019年11月12日号

ああ、生きててよかった! アイドル時代からずっとお世話になっている篠山紀信さんに、こうして写真を撮っていただいて、戻るべきところに戻ってこられたという安堵感に包まれています。

がんになり、一時はどん底に突き落とされたような気持ちになりました。今もまだリハビリが必要で、本当に大変な毎日です。以前のようにしゃべりたいのに、思うように舌が動かないことへの焦りもある。

でも、うまくしゃべれなくてもいいのかもしれない、そんなふうに思える自分もいて──。人生が再生したみたいで、清々しい気持ちなんです。たくさん泣いたからね。これからはそのぶん、笑って生きていきたいな。

 

これは口内炎なんかじゃない

舌の裏にプチッとできた「何か」に気づいたのは、2018年のゴールデンウィークが明けた頃でした。口内炎かな? ビタミン不足かな? と思い、かかりつけの内科でビタミン剤を処方してもらいましたが、よくなりません。歯科の先生に相談して、レーザー治療もしたけれど、痛みは次第にひどくなっていきました。

11月頃には、痛くてご飯が食べられなくなり、さすがに、おかしいんじゃないか、と。それで、歯科の先生に「悪性の腫瘍じゃないですよね?」と確かめたら、先生は「悪性ではありません」と即答しました。内科の先生も悪性とは考えていないようでしたし、婦人科検診でも反応は同じでした。

私は関節リウマチの持病があるのですが、月1回の定期通院の時に、リウマチ科の先生にも舌を診ていただいたんです。先生は、「服用中のリウマチの薬の副作用でしょう」とおっしゃって、お薬をストップすることになりました。

実は私、健康にはこれ以上ないくらい気を使ってきました。というのも、関節リウマチのほかにも持病がいくつもありまして。5年前には、特発性大腿骨頭壊死という病気で人工股関節を入れる手術を受けているし、30代の時には特発性重症急性膵炎で死にかけました。神経障害性疼痛も持っています。

ですから、婦人科検診を年1回、乳がんと大腸と胃と食道の検査を年2回、脳ドックを年1回、加えて月に一度の血液検査……と。だから、何か大きな病気なら、とっくに見つかっているはずという思いがありました。

そんなわけで、少しずつ良くなるだろうと信じていたのですが、実際はひどくなる一方。12月の終わり頃には、ガチガチのしこりが舌にいくつもできていて、おかゆも食べられなくなっていました。

1月の半ばになると、自分の唾液で激痛が走り、眠っていても痛みで目が覚めてしまうような状態に。ある晩、ベッドから這いだして、鏡の前に立ちました。舌を鏡に映してよく見たら、側面にひび割れができ、左側が見たこともないような色に変色しています。これは口内炎なんかじゃない。ようやく、私はそのことを確信したのです。