積み重ねのために必要なもの

野球やサッカーも同じだと思いますが、技術は競技に接していた年数に比例します。

尚弥さん高3、拓真さん高1で共にインターハイ王者に輝く(写真:『努力は天才に勝る!』より)

パンチ力には先天的な要素もあるでしょう。しかし、拳の一点に体重を集約し、そのパンチを最短距離で相手の急所にピンポイントで打ち抜くことができるようになるまでには、やはり時間を要します。

とは言え、時間をかけて根気よく指導していれば、大概のことは身につきます。パンチ力も練習で身につきます。

そのパンチを的確に相手の急所に当てるのは、日々の積み重ねがものを言います。この積み重ねのために必要なものは──本人のやる気、が第一です。

尚には素直さと愚直さがありました。いや、今でもあります。尚はボクシングに真摯に向かい合っています。地道に練習を繰り返して積み重ねることができました。

一度では覚えられなかったとしてもコツコツと地味な練習を反復することを厭わなかった、だからこそ今がある。自分が常に言い聞かせてきたことですが、おごらずに続けることができたからこそのことなのです。