転職で年収が3分の1に

私が和田中学校の校長になった時、年収は3分の1になりました。

そうなることはわかっていましたし、納得していた。収入が激減しても、私はそれまでのキャリアの延長にはない仕事を取りに行ったのです。

(写真提供:Photo AC)

あえて自分を安売りしたわけです。

転職するのに年収が激減するなんて、と思われるかもしれません。激増はともかく、激減はどうも……。

私はリクルートという民間企業でマネジメントをマスターしましたが、その武器が公教育や学校運営に通用するかどうか、見当がつきませんでした。

未知の世界に行くわけですから、自分のための「研修費」は自前で持つべきだ、と考えました。

そう、私は新たな1万時間をここで取りにいったのです。研修費を払ってでも、実地訓練をさせてもらおうと。

逆に、自分を高く売ろうとすると希少性が失われやすい。なぜなら、それは誰でも選択することだからです。

希少性を高めるためのチャンスを掴むには、「安売り」が功を奏するというわけです。