(撮影:山田耕司/背景イラスト:illust AC)
テレビ番組で紹介したレシピが簡単でおいしいと評判を呼んだ、《スーパー主婦》こと足立洋子さん。「食事作りはラクに効率よく」を実践する料理家が、コツとワザを伝授します(構成=福永妙子 撮影=山田耕司 イラスト=宮下和)

ストックして活用するサイクルを作る

2人の子どもを育て上げたあと、53歳の時に夫が急逝し、以来、ひとり暮らし歴20年です。面倒くさがりで、時間に追い立てられるのが嫌いな私は、食事作りはラクに、効率よくと考えています。

もちろん、味がいまいちでは意味がありませんから、「おいしい」は大前提です。それは家族と暮らしていた時も今も変わらず、年齢を重ねるにつれ、無駄の省き方、手の抜き方が磨かれてきたように思います。

たとえば私は、その日の食事を一から作るということはほぼしません。急に「餃子が食べたい」などと思い立って作ることは時折あるものの、基本は、3~4人分を一度に作って冷蔵庫や冷凍庫で保存しておいた、〈いつかの自分の料理〉を使います。その時の気分で選び、温め直してワンプレートに盛ったり、少しだけ手を加えて食べたりするのです。

こうした、少し多めに作った料理をストックして活用するサイクルを、かれこれ40年以上続けています。毎日手間ひまかけなくても、工夫をすればおいしい料理は食べられる。まずは、私が実践しているストック料理のポイントをご紹介しましょう。