(写真提供:Photo AC)
文化庁の「令和3年度 国語に関する世論調査」によると、言葉の使い方の社会的課題として「場にふさわしい言葉遣い」「中傷的な発言」を挙げた人が多かったそう。そのようななか、「話し方には、<人生>そのものが表れる」と話すのは、TBS初の女性スポーツキャスターとして活躍し、現在は大学教授や企業の社外役員も務める、フリーキャスターの木場弘子さん。そこで今回は、木場さんの著書『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』から、木場さん流・人生が磨かれるコミュニケーション術を一部ご紹介します。

話し方に人生が出てしまう

Q.「話し方」を磨くことは、それを職業としない私たちにとって、どんな意味や価値を生むのでしょうか?

コミュニケーションには、テクニックやノウハウより相手への思いやりを前提にした「心の姿勢」が大切です。

実はこれ、コミュニケーションという限られた範囲だけではなく、私たちの生き方全体にも関わる大きな意味を持っています。

「文は人なり」ということわざを聞いたことがあるでしょうか?

簡単に言うと「ある人の人となりは、その人が書いた文章に表れる」という意味ですが、私はこれを「話し方は人なり」と広げてもいいと考えています。

その人の話し方には、人格や知性、考え方など、全てを含めた「人生」そのものが表れる――少し大げさに言えば、そういう部分が確かにある、と思うのです。