護摩の種類

儀式的には、護摩壇というものを設えます。そこに火を点じ、火中に供物を投じ、ついで護摩木を投じて祈願する、という手順になります。

護摩壇は仏像とか仏画の前に置かれていますので、火の向こうに仏さまの姿が浮かび上がる、という神々しい構図になります。 

護摩の種類としては、息災法→災害のないことを祈るもので、旱魃、洪水、地震、火事を鎮める。

増益法(ぞうやく、と読みます)→幸福を倍増させる。

長寿延命、縁結び。調伏法→敵とか魔を除去する修法。悪行をおさえることが目的であるから、すぐれた阿闍梨でないとできない。

などがあります。

ちなみに疫病対策の場合は、かつては「魔」が病を振りまく、と考えられていましたから、調伏法に当たりますね。

不動明王など、悪い奴を懲らしめてくれる仏さまに祈って、疫病の「魔」を退治してもらう。それを目的として護摩が焚かれたのです。

《歴史探訪》本郷和人先生が同行! 平安貴族ゆかりの京都 2日間

「失敗」の日本史』(著:本郷和人/中公新書ラクレ)

出版業界で続く「日本史」ブーム。書籍も数多く刊行され、今や書店の一角を占めるまでに。そのブームのきっかけの一つが、東京大学史料編纂所・本郷和人先生が手掛けた著書の数々なのは間違いない。今回その本郷先生が「日本史×失敗」をテーマにした新刊を刊行! 元寇の原因は完全に鎌倉幕府側にあった? 生涯のライバル謙信、信玄共に跡取り問題でしくじったのはなぜ? 光秀重用は信長の失敗だったと言える? あの時、氏康が秀吉に頭を下げられていたならば? 日本史を彩る英雄たちの「失敗」を検証しつつ、そこからの学び、もしくは「もし成功していたら」という“if"を展開。失敗の中にこそ、豊かな"学び"はある!