いじめや悪意はそのままにしない

しかし、対人恐怖が強い「怯える人」はなかなかすぐにはその特効薬が使えません。

だからまずは自分自身がそのような悪意をなぜ受け取ってしまうのか、なぜ支配下に入ってしまうのか、そのような攻撃的な人物を何よりも恐れているのは、何かのトラウマや恐怖の経験や、支配的な親に育てられた経験から出てきたものか、を精査して掘り下げていくことが必要になります。

そうすると原因になるものが必ず見つかります。

私は幼少期にいじめを受けてきたのですが、その自分の経験から考えても、そうです。相手の攻撃をどこかで無意識に避けて、自分の意見や言葉を自分自身が表現せずに、相手にどこかで嫌われることを恐れて屈していたことを思い出します。

嫌われることを恐れて相手にいい顔をすることが、かえって相手の攻撃性を引き出してしまうことも学びました。

相手はあなたを使って自分の不満やストレスを解消しようとしているわけですから、あなたには関係のないものをぶつけられている、と解釈したらいいでしょう。

ですから、相手のいじめや意地悪を受け取らない、ノーと言って断る、自分の立場が弱い場合はより強い立場の人の力を借りる、公に訴える。つまり、いじめや悪意をそのままにしない、という態度が非常に大事なのです。

 

※本稿は、『既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配 「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配 「ずるい攻撃」をする人たち』(著:大鶴和江/青春出版社)

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