(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が行った「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、企業に対する調査において、過去3年間でパワハラの相談件数は「変わっていない」という回答が最も多かったそう。様々な嫌がらせがあるなか、心理セラピストの大鶴和江さんは「既読スルー」「ネチネチとした嫌味」といった、遠回しでわかりづらい「ずるい攻撃」をする人の存在も指摘しています。そこで今回は、大鶴さんの著書『既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配 「ずるい攻撃」をする人たち』から、その心理と対処法を一部ご紹介します。

「笑顔、穏やかに過ごす」対処法が、関係を悪化させる

怒りを直接表現しない嫌がらせや、巧妙な意地悪や受動的な攻撃などは、わかりにくくて目には見えません。そのため攻撃を受けた側が指摘したり、非難したりすることは難しいものです。

そのような攻撃を受けたときにどうしたらいいのでしょうか。

その対処法として多くの人は次のように考えます。

「笑顔でやり過ごす」

「波風を立てずに、穏便に、平穏を保つこと」

しかしどうでしょう。

現代はパワハラ、モラハラをはじめ、最近ではモンスタークレイマー、カスタマーハラスメント、モンスターペアレンツ、モンスターペイシェントなど、新しい言葉が次々と生み出されています。

それくらい現代人はストレスの処理ができずに、未解決の自分の葛藤や怒りの矛先を関係のない他人に向けて発散してしまうのです。