厚生労働省が公開している「患者調査」によると、精神疾患を持つ外来患者数は増加傾向にあるそう。そのようななか、「悩みが増えた時こそ、ネガティブな思考を生み出す原因を探ることが重要」と語るのは、難病・パーキンソン病と闘う韓国の精神分析医キム・ヘナム先生。今回は、キム先生のベストセラー『「大人」を解放する30歳からの心理学』から「不安の90%を消す最もシンプルな方法」を紹介します。
不安の90%を消す最もシンプルな方法
考え過ぎる人のほとんどは、ただの心配性だ。長々と考え続ければ、思考はネガティブなほうへと流れやすくなる。その代表例こそが心配性だ。
もしこうなったらどうしよう、失敗したら、予想どおりにいかなかったら……。
そんなふうに心配し始めたら、頭の中は一瞬にして不安でいっぱいになる。すると何もしないうちから時間だけが流れてエネルギーを消耗し、無駄に疲れてしまうものだ。
それどころか、そもそも私たちが心配するのはピンチに備えるためだというのに、何も行動していないから解決すべき問題は残ったままである。
こうした心配症の人たちにとって、「きっとうまくいく」、「大したことはない」、「大丈夫」という言葉は、何の救いにもならない。なぜなら彼らは今すぐにでも心配のタネに押しつぶされんばかりの不安に包まれているからだ。