個人的には、いわゆる「悲劇のヒロイン」というのはあまり好きではありません。ですから、アンナを演じるにあたっては、破滅に向かっていく人間の強さも表現したいと思っています。
コロナ禍を経て、人間にとってエンターテインメントはなくてはならないものだと改めて感じました。若い頃は、どうなのかなぁと疑う気持ちもあったのです。
でも、人はどんな過酷な状況でも、歌や舞台や映画などのエンターテインメントを求めている。それを確信できたことが、40代で一番の果実ですね。
そういえば、40代前半の頃、尊敬するプロデューサーから、「もっと力が抜けるようになったら、あなたはもっと素敵になるよ」と言っていただいたんです。正直、その壁はまだ乗り越えられていません。
これからも一つひとつの作品に全力で取り組み、壁に挑み続けたいなと思います。
宮沢りえ主演『アンナ・カレーニナ』(公式サイト)
・2月24日(金)~3月19日(日) 東京・Bunkamuraシアターコクーン
・3月25日(土)~3月27日(月) 大阪・森ノ宮ピロティホール