この世界観がまた楽しい
そんな風に慣れてくるとこの世界観がまた楽しい。「男の世界」全開で、「見せたいのはカンフーだけだぜ」と言わんばかりの、ステロタイプなキャラクターやストーリー展開が、だんだん気持ちよくなってくる。構成が複雑なフランス映画も素敵だけど、アクション一辺倒がまた、新鮮。『燃えよドラゴン』のなかに「Don't think,feel 」との名言があるそうですが、まさにその哲学そのまま。
妙に納得してきたところで遂に出てきました、敵役のブラック・ジャガー役、倉田保昭さん! あのまっすぐな眉が何とも素敵で、一度見たら忘れない強い顔。はっきり言って、主人公のドラゴン(ブルース・リャン)よりハンサム。主人公には親しみも必要だから、美しく強すぎた倉田さんには悪役がハマったのでしょう。最強の敵が出てきてこその格闘技映画ですものね!
さて、私は格闘技に関しては素人なので、一般人の感想にすぎませんが。中心となるカンフーは今のようにCG技術などを使わない、生の格闘なんでしょう。ジックリ見ているほどに体にずんと来て、何回も見返したくなります。倉田さんの得意技らしく、Gメンでも見た記憶があるんだけど、狭い壁の間に両手両足をつき、跳躍だけでよじ登っていく技は、見ていてとてもスリリング!
飛ぶのも、走るのも、技を決めるのも、演技の時に直前で止めて互いにケガしないようにするんでしょうが、ヌンチャク使いなんて怖い位の迫力です! 本当に間違って当たったら、絶命することもあるんではと思うほどに、カンフーのすごさを感じます。