肉を食べなくてはいけないのに、なぜ摂取量が増えないのか

私は「高齢者こそ、肉を食べたほうがいい」と言い続けています。
肉は血管を始め、人間の体を丈夫にするからです。

それだけでなく心の健康にもいい。
意欲や元気の源になるのです。

ところが、多くの医師は私とは逆のことを言っています。
「脂肪は減らしましょうね。お肉よりお魚がいいです。余計な脂肪は摂らないように」と。

それは「コレステロール害悪説」が信じられていたからです。
1980年前後、戦後30年を経て日本が豊かになるにつれ、食事も西洋化しました。

それと同時に「肉を減らしましょう」という風潮が高まったのです。
当時、アメリカ人は1日300gの肉を食べていました。
日本人はわずか70gです。

アメリカでは心筋梗塞が死因の1位でした。
そこで「肉を300gから200gに減らしましょう」という対策が取られました。

ところが70gしか食べていない日本も、アメリカの影響を受けてしまったのです。
それが沖縄の人が<長寿県>から転落した顛末(てんまつ)です。
沖縄の人だけでなく、みなさんも、肉や脂肪の多い食事は「コレステロールが多いから」 と避けていませんか?

あるいは、心のどこかで、何となく「本当に食べていいのかな」と<罪悪感>のようなものを抱いてはいないでしょうか?
しかし、肉や脂肪を避ける必要など、まったくないのです。

肉を食べると長生きする!?(写真提供:Photo AC)

たしかに、40代、50代の中年期までは、コレステロールが<多過ぎる>と動脈硬化を起こすリスクが高まるとさかんに言われています。

しかし近年では「コレステロールが動脈硬化を起こす」という説そのものが、世界的にも見直されています。