健康診断の結果などを見て「コレステロール値を下げないと病気になる」と言われてきた人も多いのではないでしょうか?しかし現在、厚生労働省のサイトによれば「食事中のコレステロールの上限値については専門家の間で決着がついておらず、現行の厚生労働省『日本人の食事摂取基準』では、食事中のコレステロールについては上限値を設けていない」とのこと。実際「コレステロール値は高めのほうが、元気で長生きする可能性が高い」と主張するのが医師・和田秀樹先生です。今回は先生の新刊『コレステロールは下げるな』より抜粋して、人生中盤から楽しく健やかに生きるためのポイントを紹介します。
元気な幸齢者になるか、しょぼくれて日々を過ごすか
高齢者医療の現場にいて感じるのは、「元気な人」と「元気がない人」との二極化です。
元気な人は、80歳を過ぎてもバリバリ働いたり、趣味や日々の生活を楽しんだりしています。「あれをしたい、これもしたい」と前を向いているのを感じます。
私はこのような活力のある方たちを、高齢者ではなく幸齢者と呼んでいます。
一方、元気がない人は、あちこちの不調を訴え、家と病院を行ったり来たりしています。「あれができなくなった、これもダメになった」と後ろ向き。
家族に「**をしたら」と促されても、「いや、**だからムリ」と否定してしまいます。
この差は、どこから来るのでしょう?精神科の医師としては「心構えの違いだ」と断言したいところですが、それだけではないようです。
私は「肉の摂取量の違い」が大きな要因になっていると思っています。
厚生労働省の調査によれば、70歳以上の日本人の5人に1人は「たんぱく質不足」だと言います。
しかし私はそれどころではなく、半数以上の人がたんぱく質不足だと思っているのです。肉をよく食べる欧米人は、かなり高齢になっても活気にあふれ、精力的に動き 回っています。
70歳を超えてセックスを楽しんでいる夫婦も少なくありません。
日本の高齢者との大きな違いです。