ポスターの前で写真を撮る越乃さん達
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第77回は「トップスターの退団公演」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

前回「歴史に惹かれたのは、宝塚の黒紋付の「家紋」から。「上杉笹」の家紋を背負い、この夏上杉謙信として川中島にいざ出陣!」はこちら

退団公演を観に

先日、瀬奈じゅんさん、彩乃かなみさんと一緒に、月組公演『Eternal Voice 消え残る想い』『Grande TAKARAZUKA 110!』を観に行きました。
この公演は月組トップスター月城かなとさんとトップ娘役海乃美月ちゃんの退団公演で、絶対観る!と決めていました。

月城さんは、私が退団した後に月組に組替えで来られたので、私はご一緒したことはありません。
お話したこともたぶん一度もありません。
なんて綺麗な人なんだろうというのが最初の印象でした。
真っ直ぐで真面目な人だというのは客席から見ていてもわかりました。
相手役さんを見つめる瞳と、醸し出す雰囲気から温かみと優しさが感じられ、素敵な男役さんだなぁと思っていつも観ていました。

海ちゃんも美人さんなので2人が並んだ時の絵面の美しさに、これぞ宝塚!と大満足したものです。
海ちゃんのことは下級生の頃から知っています。
控えめで弱々しかった時代を経て、凛としたトップ娘役になった姿を、親心で嬉しく思いながら観ていました。

ネットで月城さんの退団記者会見の記事を目にしました。
「トップスターに就任するというお話をいただいた時、歴代の月組のトップスターの方の名前を拝見し、自分だけのことではなく、月組を繋いでいく役割をいただいたのだと思いました」
そう語る言葉がとても心に残っています。

どうやって次に繋げるのがベストなのか、自分の去り際を就任の時から考えていたという月城さん。
早い段階で5作で退団するとゴールを決めて、それまでにできる限り月組をいい状態にして、みなさんに愛していただけるような月組にしようと思ったと言われていました。
だいたいこれぐらいの時期に下級生がバウ主演して、次の月組を支える子が出てきて…と考えたら、安心できるのは5作かなと思ったんだそうです。
理論派の月城さんの去り際の美学に、彼女の人柄を強く感じました。