何にでも意味を求めすぎる

養老 河原へ行ったら石ころがごろごろしている。その石にどういう意味があるんですか?

世界には無意味なものがたくさんあるんです。何にでも意味を求めすぎる。だからゴキブリもハエもいなくなる。

35億年の生き物の歴史を考えたことがないから、あんなものいらないだろうと言うんです。

おまえと同じで35億年苦労してここまで来たんだよと。なんで人間だけ威張っているんだよ、という話です。

※本稿は、『死を受け入れること ―生と死をめぐる対話―』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

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死を受け入れること ―生と死をめぐる対話―』(著:養老孟司・小堀鴎一郎/祥伝社)

よく生き、よく死ぬために。

3000の死体を観察してきた解剖学者と、400人以上を看取ってきた訪問診療医。

死と向き合ってきた二人が、いま、遺したい「死」の講義。