在宅死は当たり前

養老 僕は、在宅死は当たり前だと思っています。単独死は都会の問題です。家族が少ないから。

僕の知り合いにも農村共同体を復活させようという人がいますが、そういうことが今は難しいわけでしょう。学校がそうなった。障害のある子たちを特殊学級(2006年より特別支援学級に改称)に入れて。

僕らの頃は特殊学級はなくて、みんな一緒だった。そういう子もいるなということでおさまっていた。

それを、ああいう子がいると学業の妨害だとか、そういうふうに考えるようになるのは、ある種、機能主義。人間社会全体を考えれば、障害のある人は当然います。

人工のものしか置いてない社会で育てれば、そうなっても不思議はないと思います。人工のものは全て、何らかの意味を持たせているから。だから意味のないものの存在を受け入れていないんです。