近しい人の死の意味

弟を、前妻を亡くした時、同じような立場の人が世間に数多くいるのを知った。

それでもこの頃、私の拙いエッセイを読んでラクになったと言われる。

(写真提供:Photo AC)

そういうつもりで書いた文章はひとつもないのだが、もしかして私の文章のそこかしこに、別離への思いが見え隠れしているのかもしれない。

「近しい人の死の意味は、残った人がしあわせに生きること以外、何もない」

二十数年かけて、私が出した結論である。

―そうでなければ、亡くなったことがあまりに哀れではないか。