作品に感動した私は、思いきってその夜、お手紙を書いてみた…(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
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青春と再会

昨春、私はある女性コミック誌を購入した。表紙に10代の頃好きだった漫画家の名があったからである。じっくり読むと、先生の描く青春群像劇に夢中になったあの頃が一気に蘇った。やはり面白い。

そこで気になったのは、先生の近況である。もうかなりのお歳のはずだが、今もご健在なのだろうか。作品に感動した私は、思いきってその夜、お手紙を書いてみた。出版社に電話をすると、担当の人が手紙を届けてくださるという。

2ヵ月も経った頃、なんと先生からお返事のハガキが届いた。先生はすでに漫画家をリタイアしていて、私が読んだのは昔の作品の再掲載だったようだ。50年も前の作品の感動を手紙に綴ってくれたことに感激した、と書いてあり、直筆のイラストまで添えてくださっていた。

あの頃の先生の作品は、思春期まっただ中の私たち世代の代弁者だった。ハガキは大切に文箱にしまい、時折取り出しては、青春を思い出す日々である。


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