麻紀 でも、昔も今も、常にあたしはまず「自分ありき」だから。毎年、夏は約2ヵ月間、パリで過ごすことに決めているので、たとえテレビ番組にレギュラーで出ていても、「この時期は絶対に休みますから」と我を通すし、それでその番組をクビになってもぜんぜん平気だしね。
桜木 麻紀さんはどんなことがあっても絶対に自分を諦めない。諦めない人から学ぶことは大きいですよ。
麻紀 そもそも、人生なんて、自分の思い通りにいかないことや嫌なことだらけなのが当たり前。それを、「生きづらい」なんて言ったら、明日を生きていけないでしょう。
桜木 それが私の欲していた答えなんです。「生きづらい」ばかり言ってたら、カルーセル麻紀としてここまで強く生きてこられなかったと思うの。今『緋の河』の第二部を書いているんですが、麻紀さんはこれからどんな日々を過ごしたいと思われていますか?
麻紀 若い頃は、3ヵ月ごとに男をとっかえひっかえしてたけど、65歳を過ぎたあたりから、さすがに恋愛はもういいやって感じよね。(笑)
桜木 30年間、同じ亭主と暮らしている私からすれば、65歳まで恋愛欲があっただけでも驚きですが。(笑)
麻紀 もちろん、いまだに言い寄ってくる男はいるけれど、私が好きなのは若い男の子だから。肉体的な意味でもちょっとキビシイわよね。
桜木 恋多き女を卒業した今は、どんな毎日を?
麻紀 相変わらず、自分の好きなように生きてるわ。テレビを見たり、麻雀をしたり本を読んだり。近頃は毎日、朝から家じゅうを掃除してるの。1ヵ所、汚れが気になりだしたら、徹底的に掃除したくなって。
桜木 なんでもとことん。この先もずっとお元気でいてください。誰に認められなくても、人は生きていく。そんな確かな答えをくださったのは麻紀さんです。危ないことも多かったでしょうが、数々の修羅場を乗り越えて、「生きていてくれてありがとう」。それが、今、私が麻紀さんに伝えたい一番の言葉です。