3月22日午後6時、庭のベンチに座り、がんであると打ち明けるキャサリン妃のビデオメッセージが公開された。

妃は「腹部の手術後の検査でがんが認められ、現在は予防的化学療法を受けている。皆さんに会う日を楽しみにしているが、まずはがん治療に集中したい」と述べると、最後にがんと闘う患者に向けて「あなたは一人ではない」と呼びかけた。

これは、エリザベス女王が、新型コロナウイルスの蔓延により感染者が増加した20年にスピーチ内で用い、国民を鼓舞した言葉だった。

病名を明かす個人的な内容でも、皇太子妃という立場を忘れなかったのだ。メディアなどへの苦情はいっさい口にしなかった。

この後すぐにチャールズ国王が妃の勇気をたたえると、世界中からお見舞いの言葉が殺到。アメリカのバイデン大統領らから、励ましのメッセージが寄せられた。

同時に、これまで妃の長期不在を揶揄したアメリカのタレントなどから謝罪の言葉が聞かれた。アメリカの俳優、ブレイク・ライブリーは、写真加工をからかう自身の投稿を「恥じ入っている。ごめんなさい」と謝罪した。

アメリカのテレビ番組の司会者の中には、番組内でのあてこすりを謝った人もいた。

キャサリン妃の実家ミドルトン家は家族の仲の良さで知られているが、特に弟のジェームズさんがインスタグラムに投稿したお見舞い文には、姉を思う心情があふれていた。

「私たちは家族としていくつもの山を越えてきた。この山も共に乗り越えよう」との簡潔な文言だが、胸が熱くなったと打ち明ける人もいた。

後編につづく