妃は、自身で書いたメッセージを穏やかな口調で述べた。隣に座ると申し出たウィリアム皇太子には一人で大丈夫、と断ったという(写真提供:Kensington Palace/PA Images/アフロ)
2024年3月、英王室のキャサリン皇太子妃は、自身ががん患者であると発表した。それ以前にSNS上で臆測が広がっていたことを受け、一定の情報を明らかにして家族のプライバシーを守ろうとした妃には、同情と心配の声が寄せられている。チャールズ国王もがん闘病中であり、ヘンリー王子は王室を離脱……。国民から敬愛されたエリザベス女王が22年に死去して以降、王室は文字通り、人手不足に陥っている。このまま国民の王室離れは加速していくのだろうか

腹部の手術を受けたとの発表から

英王室のキャサリン皇太子妃(42歳)はがんの治療中である。妃の元気な姿が最後に見られたのは、2023年12月のクリスマス礼拝の時だった。

ウィリアム皇太子(41歳)、ジョージ王子(10歳)、シャーロット王女(9歳)、ルイ王子(6歳)らと一緒に、穏やかな笑みを浮かべていた。

それが24年1月16日、王室は「キャサリン妃は腹部の手術を受けた。入院は2週間ほどで、その後は自宅療養する」と発表した。

突然のことに世界中に衝撃が走る。病名が明かされなかったので、腹部とは消化器系か婦人科系かと臆測が広がった。

一方、同じ時期に前立腺肥大症の治療を受けたチャールズ国王(75歳)は、その後の検査でがんが発見されたと公表した。英王室でシニアロイヤル(主要な王族)二人が立て続けに入院するのは異例の事態である。